『シノノメ色の週末』

邦画

GMG。

つまり、Girl meets girl。

でも久々に3人で会ったから、HGMGMG。

つまり、Hisabisani girl meets girl meets girl。

女子高を卒業して10年振りに会う3人。

1人はモデル、1人は事務職、1人は広告代理店。

仕事の肩書きだけ聞くと、華やかにも地味にも聞こえちゃう。

でも、職業が何であれ、10年も社会人でいれば、悩みはあるしプライドもある。

この3人はかつて同じ放送部のメンバーで、ある目的を持って廃校決定の母校にやってくる。

そのかつての自分たちの世界の中で、ひと時の青春をリバース謳歌する。

昔の制服着ちゃったり、廊下でかけっこしちゃったり。

この楽しんでる感、メチャメチャ伝わってくる。

バカな男子とは違う女子特有の楽しんでる感。

でも、バカな男子だからこそ思うのは、女子のワチャワチャ感は本当なのか…って。

そんな感じで観ていたら、やっぱりそこを突いてくる。

監督も女子なので、そこはやっぱり突いてくる。

とはいえ、その突き具合が強くも弱くもなく絶妙なのが、他の青春女子映画と違うところ。

自分たちの世界を脅かしそうな脅威にも耳を傾ける大人のプライドを持ち、悩みに対して派手でも嘘でもない姿勢で前向きになろうとする感じが凄くいい。

そんな女子世界をふまえて再度観ると、キャスティングが絶妙だ。

桜井玲香さんは女子一貫校出身からの乃木坂キャプテンだったので、女子世界というものが体に染みついているだろうし、妙齢なモデルという立ち位置がいい。

また、どっちかっていうとこっちの方がモデルみたいで実際にモデルな岡崎紗絵さんが、今・バリキャリOL、昔・地味で真面目な部長という立ち位置がいい。

他作品からも滲んでくる彼女の闇属性を薄っすら感じていたから尚いい。

そして、おでこが出ていないから観終わるまでわかんなかったけど、あまりにもサブカル女子がしっくりくる、本当はカメラ仕事がやりたい事務職ちゃんが三戸なつめさんだったので超納得。

玲香さんと紗絵さんの隙間を優しい笑顔で埋める立ち位置がいい。

そして実はこの映画、HGMGMGM+G。

この最後のGの立ち位置がバツグンにいい。

突如現れ、3Gというゆるぎない世界を壊しかねない異質なGなのに、気がつけば4Gが出来上がっている。

さすが4G、世界が広がった。

でも僕は思った。

このG、実は…実体が無いんじゃないかって。

3Gが出会ったこのGは、女子という生き物と女子高という特異な空間を体現する天使なんじゃないかって。

このGの存在は確実に3Gを変化させている。

監督の意図とは違っているかもしれないけれど、僕にはそう思えたし、そう考えるとこのひと時の青春は、皆に当てはまる寓話にもなり得る気がする。

女子高に通っていなくても、青春女子を少しだけでも体験することが出来た。

シノノメの天使が見せてくれた空は素敵だったな。

ありがとう。

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