金髪のカメラマン、時代劇好きの高校生、そして教習所の先生。
すべて、金子大地くん。
ここ最近観た映画にもう3回も登場してきた。
これは、ファンになってしまえというお達しなのか…。
そんな金子くん25歳イケメンが、助手席に座って優しく運転の指導をしてくれたら、夫が不倫中の漫画家31歳黒木華さんだって恋に落ちるよね、仕方ないよね。
と、映画と現実を混同して妄想に至ってしまうような映画。
いやいや、そうじゃないそうじゃない。
そうじゃないけど、そうじゃないこともない映画。
とにかく、まあ、とにかく面白い!
黒木華さん演じる漫画家・佐和子さんは、柄本佑さん演じる現在漫画家休業中の夫・俊夫をアシスタントに、ひとつの連載を終えた。
そして、新作の構想に入る。
担当編集者・千佳を演じるのは奈緒さん。
この千佳と俊夫は不倫中。
そして、佐和子さんがこれに気付いたことに俊夫が気付く…ここの描写が秀逸でホラー。
こっちはビクビクすることなんて何にもありませんが、何故か怖くて仕方ない。
こんな恐ろしいホラーは観たことありません。
と、何故か丁寧な口調になる自分が更に恐ろしい…。
さて、気を取り戻した矢先、新作のテーマが決まる。
「不倫」…もう観るのやめようかな…。
はっきり口で言わない妻、平静を装う夫、夫婦間の微妙な空気。
そしてネームが出来上がる。
内容は「妻も不倫」…。
ここで冒頭、僕をファンにさせようとする金子くん演じる教習所先生・新谷の登場だ。
そこからが怒涛の展開で、「妻も不倫」は漫画の題材なのか、リアルなのか、夫もこっちも真実が読めない。
口で言わずに漫画で表すという、役どころを200%活かした見事なやり方には、見事!と声高に叫びたくなる反面、やられた!と、脚本に対するとてつもない嫉妬を感じた。
なんと、この脚本を書いたのは堀江貴大監督だった。
笑ったり、驚いたり、泣きそうになったりしながら、最後まであらゆる展開を見せる脚本と演出。
読む小説はミステリーばかりという僕からしても、この話のラスト部分にはもう…完敗宣言。
見事としか言いようが無い。
監督、あなたは天才です。
天才といえば、黒木華さんの天才女優っぷりにも、奈緒さんの天才愛くるしさにも、柄本さんの天才ダメ夫ぶりにも、タイトルの意味にすら…完敗宣言。
映画を観終わって、これほど「面白い!」と唸った作品はめったにあるもんじゃない。
そして、金子くん。
君にもやはり完敗です。
もう、ファンです。
4回目が待ち遠しい。
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