『アナザーラウンド』

洋画

大学のサークルの飲み会で日本酒お猪口で6杯くらい飲んだら、次の日家のベッドがウ〇コまみれだったとか、旅行先の札幌ビール園で黒ビールをジョッキで3杯くらい飲んだら、次の日見知らぬ女子の部屋で寝ていたとか、会社の忘年会の序盤で上司が酒飲め飲めとうるさいので鬼殺しをコップ一杯一気で呑飲んだら、次の日自分の席が窓際になっていたとか、お酒にまつわる話はどれもこれもヤな思い出ばかりで、そもそもアルコールは苦手どころかアレルギー体質だったことが最近判明してゾっとするばかり。

そんなノンアルコールの僕に対し、「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」なんて哲学者の提唱を実践してみようぜオー!と、4人のいいオヤジたちが仕事中もこっそり酒を飲んでいい気分になる映画が心に響くわけないじゃん…と思ってたのに、もう中盤あたりから「もしやこの映画…」なんて考え出し、終盤には「これは間違いない…」と確信し、エンドロール時には「今年のベストが決定しましたよ…」とその辺の皆さんに脳内報告。

完敗の乾杯です。

とにかく主人公のマッツ・ミケルセンの顔がいい。

いつもの様にすぐ人を殺めそうな鋭さとは真逆のダッサイ表情のダメ教師から、酒を飲むごとに凛々しくなっていくマッツ。

しかも顔だけじゃなく言動すべてに自信がみなぎっていく。

どうやら提唱は本物らしいぜ!と、教師仲間の3人もゴクゴク飲む。

夫婦の不和も、仕事の鬱憤も何もかも解消されていく魔法の酒。

そんなご陽気な時のオヤジ4人がメチャメチャ可愛らしい。

ここだけ切って青春映画にして欲しいくらい。

しかし、僕の過去に数々の汚点を残してきた酒くんはやはり甘くない。

濃度0.05%までなら良かったのに、更なる高みを目指した瞬間、喉も胃も生活も超酔拳でブン殴ってくる。

この落差による哀愁がまた絶品。

一本の映画の中で、様々なことを胸に刻んでくれる一品。

終宴がまたいい。

マッツファン度がグッと上がる。

これ是非、酒を片手に観たい。

飲める人が羨ましい。

もう、今の僕はつけ麺を食べても酔ってしまうくらいのアルコール拒否男。

なのに愛してしまったこの作品。

「もう一杯(=タイトル)」って言えないから「もう一回」観よーっと。

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