172cmという長身の佐久間由衣ちゃんから放たれる、ダメ男子学生のような発言と行動の数々。
なんか自分を見ているようで苦笑ってしまう。
就職も決まって、あとは卒論だけっていう最高な学生ラストタイムに訪れる、人生を左右する出来事。
こんな劇的な出会いや別れは自分には来なかったなぁ。
卒論も無かったし、就職もまあまああっさり決まったし、よく考えたら、卒業式の次の日にはもう部屋を引き払い、同じアパート内に住む友人にも特にお別れを言うこともなく、大学生生活はこれまたあっさりと終わってしまった。
由衣ちゃん演じるホリガイさんのように、一瞬だけ出会って心に居座る人も、超プライベートな悩みを露出してくる人も、耳あてニット帽がバツグンに似合う奈緒ちゃん演じるイノギさんにも出会うことは無かった。
いや…覚えてないだけかな…いや…わかってる。
本当は…人との関係性があまりにも表面的すぎて、心で接して来なかったからだって…。
ホリガイさんもそんな感じがした。
だから、この映画を思い出しながらこれを書いている今、少し辛くなってきている。
ホリガイさんが友達でも同僚でも彼女でも、なんとなく楽しいと思う。
でも、何がしか真剣なタイミングが訪れた時、ホリガイさんに本気で接する人はいるだろうか。
また辛くなってきた。
ホリガイさんが冒頭で突き付けられる辛辣な言葉は、よくよく考えたら芯を喰っていた。
大学を卒業するまでの短いラストタイム内で起こった全てが、ホリガイさんのスタート地点を修正してくれたようで、自分ごとのようにありがたかった。
ホリガイさんよ、幸せであれ。
さあ、次は自分だ。
もう人生をリセット出来るような歳はとっくに過去の過去になり、未だに心はソーシャルディスタンス。
奈緒ちゃん、いつ出会えますか?
とりあえず、小豆島行きの船に乗ってみます。
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